Radio ensembles Aiida – by chance ≒ by choice
SPF-013 ¥2,000 (税別)
『偶然と選択によるコンポジション──』
“ラヂオ Ensembles アイーダ”の3rdアルバム登場!
BCLチューナーを抱えたラヂオデリックなパフォーマー「Radio ensembles Aiida」の新作が届いた。前2作のフィールド一発録音による偶然性の高い“音日記”的作風を発展させ、同様のフィールド音源から厳然とした意図によるコンポジションを施した作品などが加わったのが特徴だ。曲づくりの手法に独自のチャンス・オペレーションを導入したことで、聴く側の意識のあり方への問いかけが明確になっている。平成ラストデイ@DOMMUNEでの“φonon Radio Orchestra”ライヴ演奏も収録!
2018年初頭に発動した『φonon(フォノン)』は、EP-4の佐藤薫がディレクターを務め、CDメディアを中心にエレクトロニクス/ノイズ/アンビエント──系のアルバム作品をリリースしている先鋭的レーベルだ。
令和元年のトップを飾るリリースの1枚は、A.Mizuki のソロ・ユニットであるラヂオ Ensembles アイーダの「by chance ≒ by choice」。これまでに発表された「IN A ROOM」と「From ASIA」のRadio Of The Dayシリーズ2作に続くサード・アルバムだ。前2作同様、BCLチューナー片手に訪れたタイ/アメリカ/日本──各地でのフィールド・レコーディング音源を素材としながらも、本作では、複数音源を恣意的にミックスしたり、サイコロをロールして出た数字による偶然の順番で並べてミックスしたりと、トラックごとに異なる脱々構築的な試みが成功している。
従来の手法を深化~発展させ、仕掛けられた偶然と意図的/恣意的な選択とが限りなくイコールに近づこうとする空間に、脱構築と構築がせめぎ合う不確定的コンポジションが奇跡的に成立し、不可思議な時空を表出させる。意図と恣意と選択、選択は仕掛けられた偶然、偶然は選択された必然──と、リスナーに“人が何に価値を見いだすのか?”を問う、価値への挑戦とも言える意欲作だ。なお、テンテンコ、佐藤薫、森田潤が参加し、時間指定された進行表でBCLラヂオを演奏した19年平成ラストデイ@DOMMUNEの“φonon Radio Orchestra”ライヴ演奏も収録している。
『音がでる。それはもう既に楽器だ』(中原昌也)
ライナーノーツ・中原昌也
ジャケットデザインオペレーション・河村康輔
マスタリング・noguchi taoru
Radio ensembles Aiida(ラヂオ・アンサンブル・アイーダ)
Radio ensembles Aiidaは、異色の女性パフォーマー“A.Mizuki”によるソロ・サウンド・ユニット。複数のBCLラジオが偶然織り成す一期一会の受信音と、リレースイッチの電流制御などによって生まれるビート/グルーヴをコンダクトし、類を見ないサウンドスケープ的な音世界を紡ぐ。そのジャンルレスな独自の風景こそがラヂオデリアだ。これまでに、17年の「IN A ROOM」と同18年の「From ASIA」の“Radio Of The Day”シリーズ2作を発表。新作「by chance ≒ by choice」では、チャンス・オペレーションなどの手法で、偶然と意図の拮抗する新たなコンポジションにも取り組んでいる。
■トラックリスト
01. Prologue
02. Cyclic (like a star)
03. Radio Ghost
04. Intermission
05. Chance Operation (L)
06. Chance Operation (S)
07. φonon Radio Orchestra @ DOMMUNE
08. Epilogue
■試聴リンク
https://audiomack.com/album/onon-1/by-chance-by-choice-excerpt